選択理論心理士のナミです。
ひとり暮らしをしていても、ときどき実家に立ち寄ることがあります。そのときにびっくりするのが「えっ、まだこのやりとりが続いていたの!?」ということ。
例えば、台所用と掃除のスポンジを間違えて使い続ける父、それを叱り続ける母。
実家の台所には2種類のスポンジが置いてあります。ひとつは食器洗い用、もうひとつは台所まわりの掃除用。食器洗い用に新しいスポンジを卸すと、それまで使っていたスポンジは掃除用となります。ですが、どちらも使い続けていると、どちらがどちらだかわからなくなってきます。久しぶりに帰った私も「これ食器用?掃除用?」となりました。
これ、ずっと目で見て頭で考えて判断し続けないといけないのでしょうか?
選択理論心理学をベースにしたマネジメント手法があります。「相手をいかに動かすか」という強制に基づいたボスマネジメントと、「相手が責任ある行動をとれるようにリーダーがサポートする」リードマネジメントがあります。ふたつの違いについて以下のように書かれています。
- ボスマネージャーは誰が悪かったかを探し、リードマネージャーは何が悪かったかを探す。
- ボスマネージャーは欠陥の責任をとらせ、リードマネージャーは欠陥を防ぐ方法を調べる。
グラッサー博士は「夫婦の間ではいかなるマネジメントもしてはならない」(どちらかを管理下に置いてはならない)と言っているのですが、「誰が悪かったを探すのではなく、何(しくみ)が悪かったかを探す」「欠陥を防ぐ方法(しくみ)を調べる」というこの部分は、家庭内の問題を解決するヒントになると思いました。
そこで私が提案したのは「ひと目みるだけで、誰もが間違えないようなしくみにしたらいいんじゃない?」ということ。
結果的に、掃除用となる古いスポンジは角を切り、形を変えることにしました。
長年続けられてきたこのやりとり。
「何回も言わせないで!」→(でも合ってるときと間違えるときはあるし・・)
「ちゃんと見たらわかるでしょ!」→(でも見た目がどんどん似てくるし・・)
「気をつけてよ!」→(気をつけてるよいつも・・)
「次は絶対間違えないでね!」→(うーん、頑張るけど自信はない・・)
いつも使っている人は見分けがつく。でも他の人は?誰かがそれなりに見分けられるようになっても、他の人が間違えることもあるよね?そもそも間違えやすい構造になっていないかな?
だから、家族の誰もが分かる「しくみ」を考えて、それを使う。そうすることによって「次は大丈夫でしょうね?」という疑いや不安やストレスもなくなり、「次は間違えないようにしないと」「間違えたら怒られる」「ケンカになるのも嫌だ」というプレッシャーや恐れから解放されることになります。
何回も言わせない・言われないしくみ、おすすめです!
では、また!
※この記事は、わたし個人の経験を選択理論心理学に当てはめ、見方を変えたり改善対策している一例です。
とても残念なのは、たくさんの人々が古いシステムに固執するあまり、身動きがとれなくなっていることだ。(中略)新しいシステムが機能するためには、新しい関わり方が必要なのだ。新しいやり方の方が従来の方法よりも、より簡単で、そして楽しめるということだ。
『クォリティ・スクール・ティーチャー』P20-21
選択理論心理学で考えてみると?