日常で役立つ心理学ブログ~「生きにくい」を「楽」にしよう~誰でも使える「選択理論心理学」

【恋愛vol.5】こんな時間に呼び出すなんてひどい?~自分で行動を選択していることの責任とは~

恋人からの突然の誘い。「仕事が終わったら飲食店に来てよ!」「お願い、話を聞いてほしいんだけど」ええっ、今から!?今日はとても疲れているのだけど・・。
付き合っているとこんなこともあるのではないでしょうか。

こんな時によぎるのは「相手は困っているのだから助けるべき」「頼ってくれてるのだから行かなければ」、断って「冷たい」と思われたくない、「じゃぁ他の人を呼ぶからいいよ」と言われたらちょっと寂しい。行くしかないかな・・。
「我慢して相手に合わせている」ように見えるこの状況。流されている、自己犠牲、他人軸、という表現もありますが、選択理論心理学ではどのように考えるのでしょうか。

実はこのとき、自分の中では無理や我慢だけがあるだけではなく、無意識にメリットとデメリットを比較しています。そして自分なりのメリットが感じられたために、「呼ばれた場所へ行く」という「選択」をしているのでした。選択理論心理学でいう「5つの基本的欲求」のうちのどれかを満たすイメージです。

愛・所属の欲求 →好きな人に会うことができるから嬉しい
力の欲求 →自分を必要としてくれて嬉しい
生存の欲求 →美味しいご飯が食べられそう
楽しみ →行ったら楽しいかもしれない

ただ、「行くのが辛いな」「本当は断りたかった」と感じていれば、「5つの基本的欲求」のどれかが損なわれていることになります。

生存の欲求 →疲れているから家で休みたかったのに
自由の欲求 →ひとりで過ごす時間がほしかったのに

もしかしたら行ってみたら楽しいかもしれない。でも疲れているから辛い時間になるかもしれない、明日の仕事もしんどくなるかも。
こんな気持ちを抱えながら会いに行き、「会えて嬉しい」「楽しい」「この時間が充実している」と思えない場合。「こんな時間に呼び出すなんてひどいよ」「こっちは疲れているんだよ?」「その話、いつ終わるの?」という不機嫌な言葉や表情が出てきたとします。選択理論心理学は、自分の選択した行動は自分に責任があると考えます。なので「私は我慢をしている」「あなたのせいで私は辛い」と文句を言っている行動は、自分が「無責任」であると表現されます。

選択理論を通してみてみると、実は自分の意志で行くことを決めたことがわかりました。「断りにくい」「断ったら悪い」と思っていたとします。でも、もし誘われた内容が「今からキャンプに行こう!」だったら「それは無理」とハッキリと断れたのではないでしょうか。「今の自分にはここが限界」というラインを知って、どこまでできるかは自分で決めているのですね。
このしくみを知ったことで、自分がしたいこと・不足に感じていることの整理ができるようになりました。そして自分の責任においての行動なので、判断をするときに「これで大丈夫」という気持ちが持てるようになったのと、断るときの申し訳なさも和らぐように感じています。

そして「呼ばれて行く」「呼ばれたけど行かない」「条件付きで交渉する」「行けないけれど、他の提案をする」など選択肢は複数あります。

誰かを助けたり癒してあげたいと思う気持ちも大切。でも、自分のメンテナンスも大切。
何をしてあげるかも重要ですが、どんな状態の自分がそれをするかも重要ということですね。
幸せに長く付き合っていくために、自分の状態を把握して自分のこともきちんと大切にする。そして相手にも気持ちを伝えて知ってもらう。自分の欲求充足ができている状態で相手を満たすお手伝いができるとよいですね。

では、また!

あなたは今、自分のしていることを選択しているのだ。しかし、より良いことを選択する能力も持っている。選択であれば、行動に対して責任がある。
『グラッサー博士の選択理論』p134