日常で役立つ心理学ブログ~「生きにくい」を「楽」にしよう~誰でも使える「選択理論心理学」

【家族vol.1】どうしてケンカになるの?~お互いの欲求の違いを知ろう~

選択理論心理士のナミです。

私が選択理論心理学を学んだことで、家族との関わりにどのような変化があったのか。

見方が変わったことから、私なりに工夫してきたことなど、いろいろと書いてみたいと思います。

 

私の両親は価値観の違いからぶつかることが多く、子供の前でケンカになることもしばしばでした。

衣食住にこだわりを持ち、将来のことも考えたい母の言い分は「お父さんがちゃんとしない!」。

大酒飲みで、手元にあるお金は全部使うタイプの父の言い分は「お母さんは細かい!」。

これがずっと続いて、離婚の話が出ることも。

恋愛結婚だったの?と不思議に思うくらい、衝突を繰り返す両親。

 

学生のころの私は「母がちゃんと生活のことを考えているから家庭が成り立っているんだな」と思っていましたが、社会人になると、「父の自由な考え方は生活をする上では非常に困るけど、完全に間違っているというわけではないし・・・。頭ごなしに否定し続けるのもいかがなものか・・・」とも思えてきました。

私が実家を出た後も、母からは切実な相談を受けることに。

私はこの先、何を言ってあげればふたりは上手くいくのだろう・・・。

選択理論心理学で考えてみると?

そんなもんもんとした状態の中で、選択理論心理学の「5つの基本的欲求」を知ったとき、「うちの両親が衝突する原因はこれだー!!」とわかりました(笑)

うちの両親は、基本的欲求の強弱が違いすぎていたのです。

 

5つの基本的欲求とは
  • 生存の欲求 生活する上での安心安全が大事、老後にも備えたい
  • 愛・所属の欲求 愛し愛されたい、誰かと一緒にいたい
  • 力の欲求  認められたい、充実感を感じたい
  • 自由の欲求 自分のことは自分で決めたい
  • 楽しみの欲求 楽しいことをしたい

講座を受けた後には「選択理論心理学を身近な人に伝える」という宿題があったので、私は実家の両親に会って説明してみました。

 

  • 「5つの基本的欲求」は生まれつきあって、強さ弱さは一生変わらない
  • この欲求を満たそうとして、人は行動する
  • 欲求の強弱に「良い・悪い」はなく、ただの違い
  • それぞれの欲求5段階のうち、2段階以上の違いがある欲求は関わり方に工夫や調整が必要

 

自分たちの欲求のことを知ったときの両親の反応は・・・

母「あらやだ!お父さんとぜんぜん違うじゃない!!」

父「何だこれー!すごいなー!!(笑)」

 

「生存」と「愛所属」の欲求が強く、「自由」と「楽しみ」が弱めな母。家族の暮らしが優先で、食べ物や病気に気をつけながら堅実な生活がしたい人。家族のことで忙しければ、自分の楽しみはあまり追わない。

いっぽう、「自由」と「楽しみ」の欲求が強く、「生存」と「愛・所属」が弱い父。家族のことよりもまずは自分の楽しみを自分のやり方で満たしたいと思う人。今が大切で、将来の備えや健康は二の次。

 

それぞれ優先したいものが遺伝子レベルで違っていました。

その違いがお金の使い方にも顕著にあらわれ、衝突を招いていたのです。

 

選択理論心理学を知った私にできること。

それは「両親がいっしょにいたいと願うなら、欲求充足を調整する手伝いをする」

父の考えか母の考え、どちらかに合わせて!と言うのではなく、お互いが納得できる形での別の方法を一緒に探すこと。

 

これだけ違いがある者同士が一緒に暮らすというのは、かなりの忍耐と工夫が必要になります。

正論を主張したり正解を探すのではなく、お互いの違いを認めながら調整をしていくこと。

これからも家族でいるために、この心理学の理論に出会えてよかったと思います。

 

では、また!

※この記事は、わたし個人の経験を選択理論心理学に当てはめ、見方を変えたり改善対策している一例です。

通常の結婚生活では、お互いの欲求の強さがぶつかり合って、夫婦関係が危険にさらされる可能性がある。しかし、完全に相性の良い結婚の可能性も少ない。夫婦、あるいは少なくとも片方が、欲求の強さから学び、問題が感じられたらすぐに、選択理論を適用して何らかの対応をすることである。

『グラッサー博士の選択理論』p155