選択理論心理士のナミです。
コロナ禍において、ストレスランキングに必ず入っているもの。
それは、「他人のリスクある行動」
「えっ、今それやるの!?」
「やめて!なに考えてるの!」
「考え直してよ・・・」
こういうことを考えたことのある人、発言したことのあるひとは、多いのではないでしょうか。
「他の人の行動が気になって仕方がない!」
これはどう考えたらいいのでしょうか。
選択理論心理学をベースにしたカウンセリング(リアリティセラピー)では、人の行動を理解するためには、選択理論の要素のひとつである「上質世界」を知っていることが重要であるとしています。
- 一緒にいたい人
- 所有したいもの、経験したいこと
- 行動の多くを支配している考え、信条
人はなぜ行動するでしょうか?
ひとことで言うなら「上質世界(好きな人・もの)を手に入れるため」です。
上質世界とは、生まれてから現在までに蓄えられてきた、好きな人やものや考え方のことです。
例えるなら、大切なものがつまっているアルバムのようなものです。
それは、誰ひとりとして同じアルバムが存在しない特別な世界。
どのくらいの量が必要なのか(5つの基本的欲求)、手に入れるためにしている行動のパターン(行動のシステム)も人それぞれです。
「何回も言ったら考え方や行動を変えてくれるんじゃないか」ついそんな風に考えてしまうことがあります。
でも、他の人にも自分にも、生きてきた年数の分だけ、こだわりがあるのです。
生まれもった欲求の強弱、育った環境、好きなもの、身に付けてきた行動パターン、毎日見ているもの、関わっている人、同じ世界に生きている人はいません。
飲酒運転のように法律に触れることであれば重大ですが、コロナ禍の生活においては行動の選択肢は個人に認められていることが多いので、決定権はそれぞれにあります。
他の人にできることと言ったら、情報の提供くらいです。
強制的に相手の行動をやめさせたとしても、相手の考え方に合うものではなかったら、行動のスタイルとも異なるものだったらどうなるでしょうか。
何かがあったときに強制した自分に責任がとれないだけでなく、相手のストレスになったり、お互いの関係性が悪くなったりと、弊害が生まれてきます。
上質世界には「一緒にいたい人」が含まれますから、自分の大切なものを批判したり無理矢理変えようとしてくる人って、どういう扱いになるでしょうか?
相手の上質世界から剥がされて「もう話したくない」「会いたくない」「嫌い」となるかもしれませんよね。
ウィリアムグラッサー博士は「正しさよりも関係性を重視」と言っています。
好きなものも正しさも、人それぞれなのです。
「私の好きなもの・考え方はこうだけど、あなたは違うよね」
助言や情報提供はするけれど、批判や強制はしない。
そのような関わり方ができると、コロナのような状況でも、人間関係がずいぶん楽になると思います。
好きなものが違うということは、不安や嫌だと思うことも人それぞれです。
私も眠れなくなるくらい胸がざわざわしたことがありましたが、この関わり方で乗り切っています。
withコロナ第4回目は「自分と他の人では、大切にしている世界が違うことを知って、接し方を選ぼう」でした。
コロナ禍のような状況のときは特に、そうでないときでも意識してみてください。
では、また!
※この記事は、わたし個人の経験を選択理論心理学に当てはめ、見方を変えたり改善対策している一例です。
私たちが現実の多くを他の人と違うように見る理由は、重要な世界に関係がある。この世界はもし皆が、自分にとって正しいことは他の人にとっても正しいことにはならない、ということを学べば、この世はもっと住みやすくなるであろう。選択理論は、私の上質世界は私の人生の中核ではあるが、他人の人生の中核ではない、と教える。
『グラッサー博士の選択理論』p94
選択理論心理学で考えてみると?