好きになった頃は「この人はこんなところ変わってるけど面白いな!」「この人のこんなところが新鮮!」と違いを楽しめていたのに、時間が経ってくると感じ方が変わることはありませんか?
「なんでそんなところにこだわるの!?」「ねぇ、そういうところ直してよ!」
「これぐらいで大げさだなぁ」とか、「ここは気をつかって合わせるところでしょ!」とモヤモヤしてしまう。。
ふたりがケンカをせずに上手くやっていくために、役立つ知識はあるのでしょうか?
選択理論心理学では、「人がそれぞれ違うのは、5つの基本的欲求が異なるから」だと説明されています。
- 生存の欲求 生命維持の意識が強く、安心安全な環境を求める
- 愛・所属の欲求 ひとりでいるより、誰かと一緒にいたい
- 力の欲求 自分は価値ある存在だと感じたい
- 自由の欲求 自分のことは自分で決めたい、束縛されたくない
- 楽しみの欲求 楽しいことをしたい
そして、基本的欲求についての特徴はこちら。
- 「5つの基本的欲求」は生まれながらに遺伝子に刻まれている
- それぞれの欲求は5段階で表現され、人それぞれ強弱が異なる
- 自分と相手に2段階以上の違いがある欲求は、関わり方に工夫や調整が必要
- 欲求の違いは違いであって、良い・悪いはない
- 人はこの欲求に駆り立てられて行動する
なるほど。人間の違いがこんな風に理論で説明ができるなんて、知りませんでした。
私と相手の違いを、この基本的欲求の数字の違いで比較してみました。
そうすると、不思議に感じていた相手の行動の裏側が想像できました。「相手は生存の欲求が高いから、ケガや病気に敏感で、病院に行くと安心するのかもしれない」、「相手は愛・所属の欲求が低いから、グループで過ごすよりひとり時間が多い方が自由に行動できて楽しいのかもしれない」とわかりました。
思えば、これまでは自分の価値観で相手の行動の正解・不正解をジャッジしていました。自分が許容できる範囲のことを受け入れ、許容できないことは否定していました。さらに、世間の多数はどちらなのかとか、その行動が周りからどう思われるのかも気にしていました。
「あなたは世界でたったひとりの存在」だと言いながらも「あなたはあなたのままでいいよ」とは素直に言えない、都合が悪いことは受け入れにくくなっていました。
でも、この基本的欲求のことがわかると「なんだ、そうだったのか~」「じゃぁ違って当たり前なんだね!」「他の人といても、自分たちの違いについての説明がつくのがありがたいなぁ!」と思いました。なんだかふっと肩の力が抜けました。
もう衝動的にイラッとしなくてもいい、モヤモヤを引きずらなくていい、否定したり責めなくていい。困りごとが生じたら、そのたびに交渉をしたら良かったのです。そう考えたら、違いもまた楽しめる日が来るかもしれない、と思いました。この気づきは、恋愛をするときの気持ちをとても軽くしてくれました。もっと早く知りたかったなぁ~。
この心理学をもっと多くの人が知ることになったら、世の中の恋人たちはお互いを受け入れやすくなるし、衝突の多くを避けることができるのではないでしょうか。
次回は、自分の機嫌の良し悪しを相手任せにしない、自分の欲求を自分できちんと満たす「責任」について書きたいと思います。
では、また!
※この記事は、わたし個人の経験を選択理論心理学に当てはめ、見方を変えたり改善対策している一例です。
選択理論の根拠を理解すれば、相手の性格を責めても意味のないことだとわかる。それは、背が低いとか、海産物アレルギーだと言って、相手を責めるようなものだ。互いの欲求の強さを自覚する努力をすれば、二人で使える情報が得られる。人間関係を良くするためにこの情報を使う気持ちがあれば、互いの欲求を調べることで、互いの関係がより近くなる。
『グラッサー博士の選択理論』p171